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結核健康診断

結核健康診断

労働安全衛生法令第四十六条 「事業者は、第四十三条、第四十四条、第四十五条又は前条の健康診断(第四十五条第一項に規定する労働者以外の者に係る健康診断にあつては、その者が満十九歳に達する日の属する年度以降の年度に行つたものに限る。)の際結核の発病のおそれがあると診断された労働者に対し、その後おおむね六月後に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。」とされています。



結核健康診断について

「結核」の今

 結核は、かつての日本では「亡国病」といわれるほど高いまん延状況を示していました(1943年の結核死亡率は人口十万対235、2010年の約120倍)。戦後は急速に低下し、一時は「結核の流行は終わった」といわれるくらいになりました。ところが1996〜1997年にかけて結核患者の発生件数、その人口対率(罹患率)が増加に転じ、その後3年間上昇を続けました。 国も「結核緊急事態宣言」を出し注意を呼びかけました。その後やっと減少傾向に戻りましたが、結核は「再興感染症」として再び注目されるようになりました。 現在の日本の結核罹患率は2011年人口十万あたり18(約5,000人に1人)で、他の先進諸国の数倍の高さ、米国の1970年ごろの水準にあることから、日本は「結核中進国」と位置づけられています。


どのように結核に感染するのか

 結核菌は、人が「咳」をすることで空気中に撒き散らされ、空中でふわふわ浮いているのを他の人が吸い込むことによって感染します ( 空気感染 くうきかんせん 、 飛沫核感染 ひまつかくかんせん )。手を握る、同じ食器を使う、などで感染することはありません。
図 空気感染、飛沫核感染の例

空調換気の悪い狭い場所などは、結核菌の 飛沫 ひまつ が長く滞留するため、感染源になる人が目の前にいなくても、知らないうちに感染してしまう事例もあります。


結核の健康診断で行われる検査

結核の検査は
(1)結核菌の感染を判定する検査
(2)病巣の存在を確認する検査(画像検査)
(3)結核菌を検出する検査(細菌検査) の3つに分かれます。

(1)結核菌の感染を判定する検査

①クォンティフェロン検査(QFT)
 結核菌が持っている特殊な蛋白質を利用して、採血した血液中のリンパ球を刺激し、反応の有無を見る検査です。反応があれば陽性で、結核菌に感染していることがわかります。この検査はBCG接種を行っていても施行可能であり、また通常の抗酸菌には反応せずにM.tuberculosisに特異的に反応することが特徴的です。

② ツベルクリン反応
 結核菌がつくる蛋白質成分を皮膚に注射し、48時間後の皮膚反応を見る検査です。結核菌に感染していると、注射した皮膚の部分の発赤が大きく、硬くなることで感染の有無を判定します。


(2)病巣の存在を確認する検査(画像検査)

 主に肺結核の検査として胸部X線検査と胸部CT検査があります。胸部X線検査は定期健診の際も行われています。また、結核患者が発生した際は接触者全員を対象に同検査が行われます。
 集団感染が疑われる場合は6か月後、1年後に検査が行われます。


(3)結核菌を検出する検査(細菌検査)

 結核菌検出のための検査法は大きく分けて、(1)塗抹検査、(2)培養検査、(3)遺伝子検査があります。いずれの検査も検査試料として用いる検体は主に喀痰です。

①塗抹検査

直接塗抹法
 採取した検体(喀痰)の一部を直接スライドグラス上に塗抹・染色して標本を作製し、顕微鏡で結核菌の有無を調べる検査です。直接塗抹法では汚染物を含めて喀痰のすべてを見るため、抗酸菌が検出されない場合もあります。

集菌塗抹法
 前処理として喀痰を溶解・均一化し、汚染物を除去して、抗酸菌のみを集めて種々の染色を施し、顕微鏡で抗酸菌の有無を見る検査です。塗抹検査は迅速に結果がわかる点で便利ですが、検出には喀痰1 mL中に菌が5,000~10,000個以上必要で、抗酸菌全般が染色されるため、結核菌と非結核菌の区別ができないこと、また薬剤感受性検査には供用できないなどの欠点があります。

②培養検査

 培養検査は集菌塗抹法と同じく検体(喀痰)を前処理して、抗酸菌のみを選択的に培養する検査です。結核菌は発育が遅いため、結果が出るまでに数週から2か月近く要する点が欠点といえます。

③遺伝子検査

 遺伝子検査は検体(喀痰)を前処理して結核菌のDNA(遺伝子)を抽出し、それを増幅して結核菌の有無を調べる検査です。培養検査に比べて短時間で結果が出せ、また抗酸菌の種類までわかる点が大きなメリットです。


結核の種類とその症状について


結核の種類 説明
肺結核 肺または気管支に起こる結核で、すべての結核症の8割を占めます。
結核性髄膜炎  結核菌が血液の流れにのって髄膜(脳を包んでいる膜)に達し、病巣を作り、けいれんや意識障害などさまざまな重大な障害をひき起こします。この病気はとくにBCG接種を受けていない0歳児に多く、ひとたび発病すると治療を行っても1/3は死亡、1/3は重症の後遺症を残すといわれています。最近は中年以降の成人にもみられます。
粟粒結核  リンパ節や肺の病巣から菌が静脈血中に流れ込むと、全身に結核菌がばらまかれます。肺の中には肺組織に引っかかった個々の菌が粟粒(あわつぶ)のような小さな病巣を無数に作ることからこのように呼ばれます。現在では、化学療法をタイミングよく行えば治るようになりました。
腎結核  腎臓に結核病巣ができると、尿の中に結核菌が混じって膀胱に到達するので、結核性の膀胱炎の症状が一緒に出ます。病気が進むと腎不全となります。
頸部リンパ節結核  側頸部、鎖骨下などのリンパ節に結核菌が入り込んで結核病巣ができると、外から手で触れてわかるこぶ(腫瘤)ができます。放置するとリンパ節が化膿して膿が皮膚を破って流れ出し、そのあとは引きつれを伴ったあとが残ります。
肺門リンパ節結核  気管が左右の肺に分かれている部分にはリンパ節(肺門リンパ節)が多く、肺で増殖した結核菌がリンパの流れに乗ってこのリンパ節(所属リンパ節)に到達し、炎症を起こします。子どもの結核には多い病型でした。
結核性胸膜炎   肺外結核で最も多いものです。肺の表面近くの炎症や肺門リンパ節の炎症が、胸膜まで達し、水(浸出液)が肺と胸壁の間のすきま(胸腔)に溜ります。
病気の初期には発熱と胸痛があることが多く、胸水が多量に溜ると息切れを伴います。
骨関節結核   骨や関節に結核菌がついて骨組織の中に結核性の病巣ができ、骨の破壊が起こります。脊椎カリエスの頻度が一番高く、骨が神経を圧迫して痛みが起こり、背中が変形します。そのほか、股関節、膝関節に高い割合で起こります。


結核の治療

(投薬治療)
決められたお薬による治療をきちんと継続することが重要です。
主に使われる薬は次の通りです。
①リファンピシン
②イソニアジド
③エタンブトール
④エタンプトール
⑤ピラジナミド


最も典型的な方式は、
①+② +④ +⑤ を2カ月、その後 ①+② を4カ月というものです1)。
以前は結核の治療に2〜3年以上かかることが普通でしたが、6カ月で完了することができるようになりました(短期化学療法)。
1)結核医療の基準(厚生労働省平成21年改訂)


(入院が必要な場合)
 全身状態が悪い場合はもちろん、症状が強いとき、あるいは周囲に感染の恐れがあるときも入院治療が必要となります。有効な薬物療法を行うと、周囲への感染の恐れのあった患者さんでも、2〜3カ月後には菌の活動が停止するので、そのあとは外来で通院しながら治療を継続することになります。


(手術が必要な場合)
現在ではほとんど行われなくなりましたが、お薬を飲んでいるにもかかわらず菌がなくならない場合に手術が検討されます。


結核の予防

結核の予防は次の3つに分けて考えることができます。

①予防接種(あらかじめ感染する前に)、
②潜在性結核感染症治療(感染を受けてから、「化学予防」とも)、
③接触者健診(感染のおそれが大きいとき)。 結核の予防にはどんな方法があるのでしょうか。次の3つに分けて考えます。

①予防接種

 結核の予防接種はBCG接種です。日本では生後6カ月になるまでに1回だけ行うことになっています(実際には3カ月を過ぎてから行うのがお奨めです)。スタンプ式の方法で接種しますが、接種後6カ月くらいしますとその部位に18個の小さな針痕が残ります。
接種の効果は10〜15年持続すると考えられています。

②潜在性結核感染症治療

最近結核の感染を受けた人は、その後1〜2年のうちに結核を発病するおそれがかなりあります。またそれ以前に感染を受けた人でもいろいろな原因から結核発病のリスクが高まることがあります(「結核に感染するとどうなるの」参照)。とくにいろいろな病気の治療のために免疫が抑える薬を使うときなどにそのような問題があります。このような状態を「潜在性結核感染症」とよび、体内に潜んでいる結核菌が発病準備状態にあると考えられています。そのような人にはあらかじめ結核の治療薬を飲んでもらい、結核菌をやっつけることがおこなわれます。この予防的な治療を以前は「化学予防」とか「予防内服」と呼びましたが、このような治療をすると発病のリスクは半分〜5分の1くらいに下げられるといわれています。

③接触者健診

 結核を発病し、とくに結核菌を出している場合には、その周囲の人に結核がすでに感染している可能性があります。また発病者は自分以外の誰からか感染した可能性もあります。このように、結核患者発生に際して、感染を受けた人、感染源になった人を見つけることが重要となります。このための調査や検査を「接触者健診」といい、保健所が行う重要な結核対策の仕事です。これが きちんと行われないと、集団発生にまで発展したり、乳幼児の重大な病気が発生するおそれもあります。

(接触者健診がとくに必要性)

1、初発患者さんの側から

大量に菌を出している(塗抹陽性)患者
長期間診断がつかなかった患者
幼児や若者の患者
まれな病型(例.髄膜炎、中耳炎など)の患者

2、接触者の側から見ると、
乳幼児や病気や治療のため免疫が落ちている、
初発患者さんと濃厚に接触のあった人


健診では以下のような調査や検査が行われます。

1、調査:患者さんが発病してから話をしたり、同じ部屋で仕事や勉強をしたことがあるかどうか、それはどの程度か、を調べます。このような『接触の場』としては家族生活、職場・学校、サークル、趣味やレジャーなどにわたります。
2、血液検査(クォンティフェロン)・ツベルクリン反応検査による免疫診断法:結核の感染の有無をみます。『感染がある』と判定された場合には潜在性結核感染症の治療が必要です。
3、胸部X線検査:感染して既に発病しているかどうか、をみます。とくに初期の結核では症状のない人が大半なので、この段階で発見し、治療することが大事です。この検査は感染のおそれの大きい場合には初発患者さんとの接触があってから2年間くらいは繰り返し行う必要があります。


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